【OXYMORON】

悠々として急げ ※このブログはプロモーションを含みます

「ドライブ・マイ・カー」を読んだ?と彼に聞かれた

 

 

しばらく本が読めなかった。

精神疾患の酷かった時は、本がともかく無理。

漫画もセリフの多いものは無理だった。

映画とアニメはどうにか観られたのが救いだった。

 

彼から「女のいない男たち」なら短編だから

読めるんじゃないかと言われたけど、

本が読めなかった時は無理だった。

 

彼とはもう20数年の付き合いになる。

お互い村上春樹が好きで、彼は山羊座のO型。

彼は結婚していて、お子さんはいない。

少し前に会社を畳んで、転職した。

 

私には子どもがいるから、なかなか本を読む時間や

映画やアニメを観る時間は限られている。

彼とは時間の使い方が違うのだ。

 

彼は「騎士団長殺し」は読んだ?と

まず聞いてきた。もちろん読めない。

なんたって文字が入ってこない。

 

最近、「女のいない男たち」の一遍、

「ドライブ・マイ・カー」が映画化した。

原作は短編だが、随分長い映画らしく、

主演の西島秀俊さんも好きだし、

車にサーブが使用されているのが魅力的だったけど、

やはりあまりの長さ(3時間近く?)

がネックだった。

 

サーブには思い出がある。

昔のドラマのエンディングで、

E・クラプトンの「ワンダフル・トゥナイト」

をBGMに夕暮れの湾岸線を走るのがあった。

 

私はお台場の景色が好きで

ゆりかもめに乗って観る景色でも

夕暮れのレインボーブリッジを走る景色が

特に好きだった。

クラプトンも大好きだから、

そのシーンに憧れていた。

 

サーブに乗ってた昔の男友達が、

「ワンダフル・トゥナイト」を掛けながら

湾岸を走ってくれた。夢のようだった。

彼はデートのつもりだったみたいけど

私はどうしても友人から先に進めなかった。

 

タラレバを考えたらキリがない。

 

村上春樹が好きな彼とはたまに寝る。

相性もよい。一緒にいるとホッとする。

もう、お互いがお互いの1ピースみたいな感じ。

 

精神疾患の症状が安定したせいか

「ドライブ・マイ・カー」が

何とか読めるようになった。

 

彼が読んだか?と勧める理由は

ひょっとしたら何かの答え合わせなのか?

と思った。

 

読んでない方もいるだろうから、

あらすじは書かないけれど、

読後はアドラー的な印象だった。

 

自分に折り合いをつける。

彼は落ち込みやすく、考えがちな私に

それを伝えたかったのかもしれない。

 

私にとっての「寝る理由」は

小説とは違うところにあるような気がする。